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Japan Tour: Day-363

昨日のメインイベントは、神尾真由子さんのリサイタル。サントリーホールは自宅から近く、タクシーで10分足らずなので、優雅な気分で楽しめるから好きです。ホールは当然のように、超満員。
ロシアのピアニスト・ムロスラフ・クルティシェフも神尾真由子さんが優勝した2007年の第13回チャイコフスキーコンクールで2位(1位なし)という輝かしい成績を収めています。
神尾さんのジャパンツアーで唯一の東京公演でもあり、会場は熱気で溢れていました。
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↑ それにしても、ハードな予定で、これぞジャパンツアーと呼ぶに相応しい、大変な強行軍です。
今回はお得意のチャイコフスキーからベートーヴェンにブラームス。オードブルからじっくりとメインへ進むなかなかの選曲で、とてもエンジョイできました。音へのこだわりがよく伺え、みどりさんにはまだ及ばないものの、往々にしてサラッとした日本人奏者の中では、抜群のテクニックと曲想理解の良さで、まさに欧州の本場ならではのいい味を出していたと言えるでしょう。
アンコールには、大サービスの3曲。

エルガー:愛の挨拶 op.12
クライスラー:美しきロスマリン
チャイコフスキー:ワルツ-スケルツォ

愛の挨拶は日本人向き過ぎる選曲で頂けない気がしましたが、2曲は見事。圧巻は最後のチャイコフスキーで、じっくりと歌い上げ、パワーと表情の溢れる、これぞヨーロッパのヴァイオリンという気迫で挑んでくれて心を揺さぶられます。この感動を共有した会場からは、これまで以上の大きな拍手。こんなアンコールを披露されては、ほとんどの聴衆が次回のリサイタルのチケットを予約せざるを得ないでしょう。

会場ではドミトリ・シトコベツキー氏(Dmitry Sitokovetsky)ともお会いしました。昨年6月以来の再会でしたが、こんな大物も顔を見せるほど期待されているのでしょうね。

お蔭で、サイン会には少なくとも500人は並んでいたでしょうか。それでも一人ひとりにサインして言葉を交わす姿勢には、感心しました。幸い夫と二人で早々にサインをもらい握手したその手は、ふんわりとした優しいもので笑顔と共に好感度アップ。
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今はチューリッヒをベースに活躍されていますが、今後も国内でこじんまりとまとまらず貪欲に世界で活躍してもらいたいヴァイオリニストだと思います。

以上、Day-363です。

  # by aldenhamschool | 2010-11-08 10:58 | 音楽

Bow Tie: Day-362

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寮生にとっての最大のメリットは、上下級生との年代を超えた結びつきによる一体感ではないでしょうか。ハウスには、各学年10人前後がひとつ屋根の下で暮らし、ハウスキャプテン(Upper Sixth Form: 18才)のもとで、Year 9 (14才)までが共にハウスの伝統と名誉を学び、成長していくわけです。

ハウス毎に趣向を凝らしたパーティーがあり、スポーツや音楽などでもハウス代表として共に準備したりして結束を固めていきます。パーティーの前には、こんな風に初めて締めるBow Tie (蝶ネクタイ)を上級生に見てもらったりします。
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日本から留学しても、大丈夫です。ハウスは全員がファミリーとして共に暮らす大切な家なのですから、自らを閉ざさずに、特別扱いを期待せずに、飛び込んで行けば、皆が迎えてくれますよ。オープンにふるまえばフェアに接してくれるのが、英国、特にパブリックスクール、の伝統なのですから。

以上、Day-362です。

  # by aldenhamschool | 2010-10-27 09:45 | 学校紹介

BBQ: Day-361

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留学生にとっての一番の不安は、寮生活がうまく出来るだろうか、ではないでしょうか。欧州内はもとより世界中から留学生が集まるパブリックスクールでは、長い歴史と経験が豊富ですから、心配ありません。何より、大英帝国として、多くの国から子弟を迎えて教育してきたのが、パブリックスクールです。

パブリックスクールでは、いい意味で、留学生を特別扱いしませんので、日本人にとっては、「歓迎されていないのかな?」と思うかも知れませんが、それは違います。留学生はもとより、英国人の寮生も、通学生も、みなに平等に、「フェアな精神」で接するというのが英国流なのです。

もちろん英語のハンディが顕著な場合には、補習など充実していますので、各個人なりのペースでじっくりとレベルアップすればいいのです。だからと言って、日本人は英語が苦手だから優遇してほしいとか、特別に面倒を見てほしいと期待するのは、時に甘い考えとして評価されません。ただ、決して焦る必要はないのです。自分のペースで寮生活に溶け込もうと努力し、友人を作り、スタッフに接していけば、自然と英語力もつくことでしょう。日本人は往々にして「待ちの姿勢」が見られます。学費を払っているんだから、学校からしてもらうのが当然というお客さん的発想ではなく、全員がお同じ環境で一緒に成長していくんだ、という参加型の発想でいなくてはいけません。英語力がどうのではなく、とにかく積極的にアプローチすることで、周りからの信頼と評価を得ることが一番大切です。

そうそう、寮生のいるハウスでは、こんな楽しいバーベキューのイベントとかもありますよ。きっと半年、1年とするうちに立派な寮生、紳士淑女となることでしょう。折角の留学の機会です。あくまで、焦らずじっくりと、まず最初の1年は他のことは忘れ、寮生活に集中して下さい!
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以上、Day-361です。

  # by aldenhamschool | 2010-10-25 12:19 | 学校紹介

現代のクライスラー: Day-360

待ちに待ったコンサートがついに実現。生憎サントリーホールは売り切れで、ようやく手に入れた
S席2枚を握りしめて横浜みなとみらいホールへ。
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現代のクライスラーとも称されるイツァーク・パールマンのヴァイオリンは、一言で表せば、今までのどんなヴァイオリンとも別次元のものでした。最初の一音でそれとわかる彼独特の音色。メニューインの後を受け継いだストラディバリがどうと言うよりも、彼の歌い上げる独特の重厚で優しい音楽は、今や誰の追随も許さない全く別のものなのです。実はベンゲロフも大好きなのですが、やはりパールマンの魅力とは較べることは出来ないものだと再認識させられました。

第2部では彼の大切にする小品集。その中には有名な「シンドラーズ・リスト」もありました。映画で流れたユダヤ人のパールマンのソロ演奏はあまりにも有名ですから御存知の方も多いでしょう。
クライスラーの"プレリュード&アレグロ"は二男がオーデナムでもソロで弾いた曲。
そして、ヴェニアフスキーの"カプリス"に至っては、出るのはため息ばかり。

彼の音色とその豊かな人間性はまさに現代社会の至宝と言えるでしょう。

こんなに間近にパールマンの演奏を聴く機会に恵まれた幸運に感謝し、とても豊かな気持ちとなれた一日でした。

以上、Day-360です。

  # by aldenhamschool | 2010-10-24 13:59 | 音楽

ロンドンの薫り: Day-359

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一昨日の火曜日は、三鷹にある武蔵野市民文化会館へ。楽しみにしていた英国のヴァイオリニスト、ジェニファー・パイクさんのコンサートです。

まだ21才の彼女は、英国の若手音楽家の登竜門であるBBC Young Musician of the yearを13才の時に受賞している実力者。しかもピアニストは今でも英国をベースに活躍する小川典子さん。小川さんとはご縁があり舞台裏でもお会いしたことがありますし、何より、ロンドン由来のお二人の演奏ということで期待は高まりました。ジェニファーさんは、名古屋フィルハーモニーの招きで週末にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏されるようで、そのお蔭で、三鷹でも演奏機会ができたのでしょう。自宅から三鷹までは45分と時間がかかりましたが、行くしかありません。

結果は、それはとても素晴らしい演奏で、久し振りに欧州ならではのこれぞヴァイオリンという演奏を若々しいジェニファーさんのお蔭で堪能できました。とにかく英国育ちならではの表現力を十二分に発揮してくれました。日本人の演奏家が往々にしてはまってしまう小さな枠などありません。曲の最初から彼女の表現する世界に一気に引き込まれたら最後、彼女の案内に任せてこれでもかと楽しませてくれます。もちろんそんな彼女のヴァイオリンをしっかりと受け止めて、更なる魅力を引き出してくれる小川さんのピアノも見事。そして二人のちょっとした仕草や笑顔はまさしく懐かしの英国風。そんなお二人の共演で聴くドビュッシー、ラヴェル、フランクには、夫と二人で大満足。またロンドンに帰りたくなってきたね、と話ながら帰宅の途につきました。

そうそう、アンコールのガーシュインの後も拍手が鳴り止まず、トップ演奏家にしては珍しく、2曲目も披露(ではなく、疲労?)。心得たもので、曲はエルガーの愛の挨拶。日本人にはこれよ、と小川典子さんからアドヴァイスがあったのは間違いないでしょうね。

今週末には、一転して、ベテランの世界トップヴァイオリニストの演奏を聴けることとなっていて、今からワクワクしています。ロンドン時代のように毎日のようにとは行きませんが、可能な限り機会を見つけて楽しみたいものです。

以上、Day-359です。

  # by aldenhamschool | 2010-10-21 00:01 | 音楽

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