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英国の人材教育: Day-293

年末に買い込んだ本を楽しく読んでいますが、その中にイギリスのパブリックスクールについて記述してあるものがありました。

『なぜ日本人はかくも小粒になったのか』と嘆き、問題提起するのは慶応大学の福田和也教授著『人間の器量』。

詳細はお読み頂くとして、イギリスには階級社会を維持したのに、日本には階級がない、ことも一因だと言います。今の日本で言う、金持ちなどではなく、文化を持ち、ノブレス・オブリージュ(高貴な義務)を持つ層がないのです。高貴な層は、普段は親の代からの蓄えで大した労働には従事せず、学問、スポーツ、音楽に精を出すけども、国家の危機となれば、一番先に前線に出て命を捨てる、そういう層がいないのです。パブリックスクールでの寮生活は厳しくスパルタ式ですが、将来が約束されている特権階級ならば、子供時代に厳しい生活をしてしかるべきだ、という共通認識があり、またそういう層の人間はタフでなければならないのです。

それに対して、知識と技量は身に付くけども、教養と人格はどうでもいい、というのが戦後の日本の高等教育であり、これでは、人物が出てこないのは、仕方のないこと、とも言います。金持ちはいるけども、国家のことを考える人材は出ず、自分の財産と健康しか興味はないという意味で、貧乏人も金持ちもそんなに考えていることは変わらない。つまり、今の日本は本質的な意味での格差がない社会だと言い切ります。
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健康とお金を考え、抜きんでることや英雄的行為、犠牲を好まない。強い信仰もなく哲学も必要ない。めでたいといえば、めでたいが、これで国が、社会が持つのか、次世代に何を残せるのか、大いに不安。やはり人物といえるほどの人材を作り、産みださないと、だめだ、と締めくくります。

パブリックスクールに身をおくことは、皆さんのお子さんにとって、とても貴重な経験をし、日本で育ったのでは得がたい人材に育つ、と思いませんか?

以上、Day-293です。

  by aldenhamschool | 2010-01-04 13:37 | パブリックスクール

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